売り手のDD準備は、資料の量より「原資料と説明が合うこと」「必要な人へ安全に開示すること」が重要です。調査範囲と責任者を決め、索引で不足を見つけ、質問と指摘事項を台帳にします。DDは、買い手が収益力、権利義務、リスクと引継ぎ条件を確認する工程です。
本記事は基本合意前後から最終契約へ向けた資料準備に焦点を当てます。売却の全体像は会社売却の始め方をご覧ください。以下の資料表は編集部の一般的な実務整理で、全社一律の必要資料リストや安全性・成約の保証ではありません。
DDの範囲・担当者・日程を決める
財務、税務、法務、労務、IT、事業を基本に、製造業なら環境・品質・設備、観光・飲食なら許認可・賃貸借・衛生、IT企業なら個人データ・ソフトウェア権利等を追加します。会社規模だけで必要性を決めず、取引目的、潜在損失、引継ぎ難易度を踏まえます。
社内の経理、総務・人事、IT、現場、経営者と外部専門家の役割を定め、一元窓口から承認済みの資料・回答を出します。買い手の依頼範囲、調査期間、重要事項の回答期限、現地確認、誰が費用を負担するかを先に確認してください。DDで未確認の領域がある場合も、調査したから「問題なし」と一般化しません。
株式譲渡は法人の過去の債務・契約・税務を含む実態、事業譲渡は譲渡対象と残る債務、契約や人員等の移転条件が中心になります。法務資料は譲渡方法と対応させます。借入・保証・担保は経営者保証ガイドの台帳も参照できます。
VDRと資料索引を一元管理する
VDR(バーチャルデータルーム)は、DD資料をオンラインで保管・開示する環境の総称として使われます。特定製品を導入すれば安全になるわけではありません。売り手は、アクセス制御、ログ、暗号化、多要素認証、バックアップ、権限失効、ダウンロード・印刷制限、透かし、保存地域、委託先管理等を比較し、情報の性質と会社規模に合う仕組みを選びます。
最上位を「00索引・ルール」「01会社基礎」「02財務」「03税務」「04法務」「05労務」「06IT」「07事業」「08知財・不動産・環境」「09Q&A・リスク台帳」等に分けます。買い手の依頼番号をファイル名または索引へ記録し、どの資料がどの質問への回答か分かるようにします。同じ契約を法務・IT・事業へ重複アップロードせず、正本の場所と参照先を示します。
ファイル名は「依頼番号_資料名_対象期間_基準日_版」のように統一します。「最新版」「最終」「最終2」という名称は避け、版番号と更新日を使います。索引には資料名、期間、基準日、作成者、確認者、VDR位置、開示日、差替日、差替理由、個人情報区分を記録します。差替え時に旧版を削除して履歴を消すのではなく、閲覧停止・アーカイブと更新通知を行います。
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| 列 | 記録内容 | 目的 |
|---|---|---|
| 依頼番号・資料ID | 買い手リストと自社固有ID | 質問・回答・契約開示との紐付け |
| 資料名・期間・基準日 | 何をいつ時点で示すか | 古い資料の誤使用防止 |
| 版・更新履歴 | 版番号、差替日、差替理由 | 無断差替えと説明矛盾の防止 |
| 作成・確認・承認 | 担当者と専門家確認の有無 | 責任の所在と回答品質の管理 |
| 開示区分 | 匿名、NDA後、限定閲覧、原本閲覧 | 必要最小限の段階開示 |
| 情報区分 | 公開、秘密、営業秘密、個人データ等 | 権限と安全管理の選択 |
| 状態 | 開示済、準備中、非該当、未作成、要確認 | 空欄の意味をなくす |
索引には「非該当」「未作成」「所在不明」「代替資料あり」を明記し、空欄を残しません。フォルダ例は00索引・ルール、01会社基礎、02財務、03税務、04法務、05労務、06IT、07事業、08知財・不動産・環境、09質問・リスク台帳です。依頼番号と正本の参照先を合わせ、同じ契約を領域ごとに重複して管理しないようにします。
閲覧者と情報区分で権限を分け、共有IDを避けます。個人単位のアカウント、多要素認証、アクセス・取得ログ、権限失効、必要に応じた透かしやダウンロード制限を組み合わせます。画面撮影等を完全に防ぐ保証はないため、NDAと段階開示も必要です。正本と開示版のバックアップを分け、障害時の連絡と代替開示を決めます。
財務・税務・法務・労務・IT・事業の資料
会社基礎・財務:残高と動きをつなぐ
会社概要、組織・グループ図、定款、登記、株主名簿、株式履歴、議事録を基準日付きで整理します。数期の決算・最新月次・元帳と、売掛金、買掛金、在庫、固定資産、借入、リース、保証・担保の明細を照合します。部門・店舗・顧客別の管理数値は全社決算への調整表を付けます。
財務では売上計上、締め日、検収、回収、返品、前受・前払、関連当事者取引、一過性損益を確認します。在庫は実地棚卸・滞留・評価減、固定資産は現物・所有者・担保と比較します。社長退任後の人件費や修繕・設備更新を含め、正常収益と価値評価の前提へつなげます。
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| 不足・不一致 | 確認する事実 | 代替・是正資料 | 回答上の注意 |
|---|---|---|---|
| 月次試算表が遅い | 最終確定月、未処理項目 | 会計データ、通帳、売上・仕入台帳、暫定調整表 | 暫定値を確定値と表示しない |
| 在庫台帳と現物が不一致 | 差異品目、原因、金額 | 再棚卸、差異表、評価方針、再発防止 | 全在庫が販売可能と断定しない |
| 契約のない貸付金 | 相手、発生経緯、返済可能性 | 入出金履歴、確認書、返済計画 | 形式的な契約作成で過去を隠さない |
| 部門採算がない | 売上・直接費の取得可否 | 顧客・商品台帳からの再集計、配賦表 | 推計方法と限界を明示する |
税務:申告・会計・納付の違いを説明する
法人税、地方税、消費税、源泉所得税等の対象年度、申告書・添付別表・受信通知、納付・未納、調査・修正・照会の履歴を整理します。会計と申告の差、繰越欠損金、関連者・役員取引、資産売却や再編時の扱いは税理士へ確認します。納税証明も種類と年度を区別し、証明書だけで全税務リスクがないと判断しません。
法務:権利者、契約、許認可を結ぶ
株主名簿と株式数、相続・譲渡履歴、会社の意思決定資料を照合します。主要契約は相手方、期間、更新・解約、譲渡禁止、支配権変更や代表者変更の通知・同意、保証・担保を一覧にし、原本を参照できるようにします。許認可は事業・名義・拠点・期限・変更手続を確認し、再取得や承継の扱いは所管庁・弁護士へ照会します。
訴訟、重大クレーム、内容証明、行政対応、反社会的勢力・贈収賄・競争や下請取引の相談履歴を、単なる「あり・なし」ではなく対象・時点・対応状況で示します。口頭契約や欠落議事録は後から過去の書類を装って作らず、代替証拠と是正方法を専門家へ相談します。
労務:勤務実態と支払を照合する
匿名の従業員台帳に雇用区分、役割、所属、資格、給与帯、退職・休職等の状態を記録し、雇用契約・労働条件通知、就業・賃金・退職金規程、労使協定、社会保険・労働保険と照合します。勤怠・シフト・PCログ等と賃金を比較し、固定残業、管理監督者、未払、有給休暇等は労務専門家へ確認します。
労災、安全衛生、ハラスメント・紛争の資料は閲覧範囲を絞ります。キーパーソンの技能と代替・引継ぎ計画も用意してください。事業譲渡と合併等では労働契約の扱いが異なるため、厚生労働省の事業譲渡等指針(2026年5月25日から改正後適用)と個別手続を確認します。
IT・セキュリティ:導入製品より運用の証拠を示す
業務・システム・データの構成図、端末・サーバー・クラウド・ソフトの台帳、名義・ライセンス・期限、保守・SLA・解約・データ取出し条件、ソースコード・外注成果物の権利を整理します。共有・退職者・管理者ID、更新とサポート期限、多要素認証、外部接続、事故・停止の履歴を確認します。
バックアップ完了だけでなく、保存場所・世代・復元テスト日と結果を示します。個人メールを復旧先にしている、担当者一人だけが管理できるといった状態も、隠さず改善計画にします。IPA第4.0版は資産管理台帳、自社診断、クラウド安全利用、事故対応等の公式ツールを公開しています。2026年10月5日確認時のページ最終更新日は9月30日でした。認証・自己宣言がDDの安全保証になるわけではありません。
事業・知財・拠点:利益が続く条件を示す
顧客・商品・店舗別の売上・粗利、受注残、継続・解約、顧客と仕入・外注の集中、生産能力・稼働・返品・品質、計画の人員・設備・資金前提を整理します。KPIの定義・基準日・集計範囲を会計と対応させます。
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| 事業KPI | 会計との接続 | よくある差 | 必要な説明 |
|---|---|---|---|
| 受注高 | 受注残から出荷・検収・売上へ | 取消、納期変更、未検収 | 状態定義と基準日後の変動 |
| 契約数・利用者数 | 単価と請求期間から売上へ | 無料、休眠、重複、月途中 | 有料・稼働の定義と解約 |
| 生産数量 | 原材料・仕掛・製品・売上原価へ | 不良、仕掛、他社預け | 歩留まりと棚卸差異 |
| 来店・予約 | 客単価、取消、売上へ | 無断取消、クーポン、税込差 | 店舗別集計と季節性 |
知財は特許・商標・意匠、図面・配合・ノウハウ、職務発明、共同開発・外注成果の名義・期限・許諾・帰属を確認します。営業秘密は秘密管理の実態、ドメイン・SNS・ECは管理権と契約を示します。不動産は所有・賃貸・経営者個人所有を拠点ごとに分け、担保・賃貸借・修繕を確認します。業種に応じて土壌・廃棄物・化学物質、品質認証・製品安全・リコール、保険の補償と事故も追加します。
個人データを段階的に開示する
個人情報保護委員会の通則編は、事業承継やその交渉段階で相手会社の調査へ個人データを提供する場合の考え方を示します。該当する場合の第三者提供の扱いと、安全管理のために必要な契約を一緒に確認してください。「M&Aだから全データを自由に提供できる」と判断してはいけません。
同ガイドラインは、利用目的・取扱方法、漏えい時の措置、交渉不調時の措置等を定める必要な契約を求めています。一般的なNDAだけで十分か、専門家と確認します。閲覧者、保存先、複製・再提供、国外取扱い、ログ、事故通知、返還・消去、必要な保管の扱いを具体化してください。
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| 段階 | 開示例 | 保護方法 | 避けること |
|---|---|---|---|
| 匿名打診 | 顧客集中率、従業員構成の集計 | 固有名・少人数特定情報を除く | 顧客名簿・給与明細の提出 |
| NDA後 | 顧客A別売上、匿名従業員台帳 | VDR限定、透かし、DL制限 | 必要性のない住所・口座等 |
| 基本合意後 | 重要契約、個別勤怠、紛争資料 | 専門家限定、マスキング、ログ | 全買い手担当者への一括権限 |
| 成約・移行 | 業務継続に必要な原データ | 移行手順、権限切替、目的確認 | 承継前目的を超える無確認利用 |
| 交渉不成立 | 提供データと複製の一覧 | 返還・消去・廃棄、完了確認 | VDR停止だけで完了扱い |
初期の顧客集中分析なら顧客A別売上、従業員構成なら匿名IDの集計で足りるかを検討します。少人数の属性から識別できる情報にも注意し、個別資料に必要のない住所・口座・健康情報等を除きます。単に氏名を隠した資料を、法律上の匿名加工情報と当然に呼べるわけではありません。
成約後も承継前の利用目的との関係を確認します。新規サービスやグループ横断の販促へ使う場合は、承継したから自由に利用できると決めつけず、目的・通知・同意等を専門家へ相談します。交渉不成立ならVDR停止だけで完了にせず、取得済み複製の返還・消去・廃棄と確認を行います。
質問と指摘事項を台帳へまとめる
質問はメール・会議ごとに別管理せず、番号、領域、質問原文、担当、期限、回答、根拠資料ID、承認者、回答日、追加質問、状態を一つの台帳へ入れます。回答が間に合わない場合は推測値で埋めず、未確認の範囲と回答予定日を示します。
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| 区分 | 記載例 | 根拠 | 避ける回答 |
|---|---|---|---|
| 確認済み事実 | 2026年7月末残高は台帳記載額 | 元帳・残高証明・台帳ID | たぶんこの金額 |
| 専門家見解 | 契約解釈は弁護士確認中 | 確認範囲・日付・前提 | 法的に問題ないはず |
| 将来見込み | 現行受注残を基にした計画値 | 受注一覧・計画版番号 | 必ず達成する |
| 未確認 | 原契約所在を確認中、回答予定日 | 探索先・担当者 | 空欄・無回答・推測 |
「顧客関係は良好で来年も続く」は、過去事実、経営者の評価、将来見込みが混ざっています。売上・解約実績、契約更新条項、計画前提へ分けて答えます。税務、未払賃金、契約、個人情報事故、許認可等の重要回答は、自社の専門家と経営者が確認した範囲を残します。
同じ未払残業を労務・財務・税務の各報告から重複して合計しないよう、一つのリスクIDで整理します。事実、金額の幅、発生可能性、買い手と売り手の見解、是正責任者・期限・完了証拠を別列にしてください。
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| リスクID | 事実・根拠 | 影響 | 対応・行き先 | 完了証拠 |
|---|---|---|---|---|
| R-01 | 在庫差異、再棚卸表 | 資産・粗利・運転資金 | 会計修正、価格前提更新 | 修正元帳、承認記録 |
| R-02 | 重要契約の支配権変更条項 | 契約継続 | 相手方同意を前提条件 | 同意書 |
| R-03 | 退職者管理者IDが存続 | 情報漏えい | 即時停止、権限棚卸し | 停止ログ、再確認表 |
| R-04 | 月次勤怠・賃金差異 | 労務・財務・税務 | 専門家試算、是正、契約開示 | 支払・届出・開示別紙 |
リスク台帳の記載例は仮定で、当センターの支援・成約実績ではありません。各指摘は是正、価格、決済の前提条件、表明保証・補償、PMIのどこで扱うかを決めます。法令違反を価格の値引きだけで解消できると一般化せず、必要な是正・届出と最終契約への反映を専門家へ確認します。
8週間の準備例と業種別の重点
次は、資料が分散している中小企業が売り手側の準備を始めるための八週間の仮想例です。DDの標準期間や完了保証ではありません。資料量、専門家の空き、買い手の依頼、法令対応によって延長・短縮します。通常業務を止めないよう、週ごとの成果物と責任者を設定します。
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| 週 | 中心作業 | 成果物 | 完了基準 |
|---|---|---|---|
| 第1週 | 範囲、チーム、NDA、情報区分 | 担当表、VDRルール、初期索引 | 窓口・承認・アクセス権が決まる |
| 第2週 | 会社基礎、財務・税務資料の収集 | 基礎パック、決算・申告一覧 | 不足・基準日・代替資料を表示 |
| 第3週 | 財務明細、株式、議事録、契約 | 債権・在庫・借入・契約台帳 | 元帳・原契約と照合済み |
| 第4週 | 労務、許認可、紛争、知財 | 匿名人員表、許認可・知財一覧 | 個人情報区分と専門家確認を記録 |
| 第5週 | IT・セキュリティ・個人情報 | 構成図、資産台帳、事故・委託一覧 | 管理者・権限・復旧を説明可能 |
| 第6週 | 事業KPI、計画、現場確認 | KPI調整表、計画前提、現地資料 | 会計数値との接続を確認 |
| 第7週 | 模擬Q&A、リスク・是正 | 回答台帳、リスク台帳、是正計画 | 重要回答を経営者・専門家承認 |
| 第8週 | 開示、契約、更新ルール | 最終索引、開示一覧、更新手順 | 誰に何を出したか追跡可能 |
業種で重点が変わる仮定の4例
以下は実在企業や支援実績を示さない仮定です。①製造業は在庫・仕掛原価・設備・環境・個人所有工場と技能、②多店舗サービス業は店舗別採算・賃貸借・勤怠・許認可、③IT・専門サービスは継続率・顧客データ・クラウド・権利・管理者・復旧、④技術や屋号が中心の会社は秘密管理・外注契約・図案等の権利と技能伝承を重点にします。
製造業で設備台帳と現物が食い違うなら再棚卸し、個人所有工場を使い続けるなら賃貸借を財務計画へ反映します。サービス業の共通費配賦や勤怠不足は調整表へ、IT担当者一人の管理は権限分散・手順・復旧へ、口頭の外注条件は履歴・契約確認へつなげます。「必ず顧客や職人が残る」と約束せず、証拠と引継ぎ条件を示します。
売り手が確認するチェックリスト
- 調査対象、基準日、窓口、専門家、承認者と開示段階が決まっている。
- 決算・月次・元帳・税務申告と各明細を照合し、差額理由がある。
- 在庫・設備の実在、権利者、評価と修繕・投資を確認した。
- 株式履歴、主要契約、借入・保証、許認可の原本を参照できる。
- 労働条件・勤務実態・賃金と保険の差を専門家へ振り分けた。
- ITの権利、管理者、委託先、事故履歴、復元テストを示せる。
- KPI・計画と決算の接続、顧客・人材・仕入の依存を説明できる。
- 個人データ・営業秘密の必要性、権限、安全管理契約を確認した。
- 不足や未確認を隠さず、代替資料・担当・期限を記録した。
- 指摘の二重計上を避け、是正・契約・PMIへの行き先がある。
- 最終契約までの更新通知、追加開示、不成立時の返還等が決まっている。
よくある質問
Q. 資料が不足していたら売却できませんか?
A. 不足だけで決まりません。所在不明・未作成・非該当を分け、代替証憑、再確認、是正と開示の方法を検討します。架空の資料や推測値で埋めないでください。
Q. 小さな会社にも全領域のDDが必要ですか?
A. 規模だけでは決まりません。取引目的、事業のリスク、重要性で範囲を設計します。大企業用の依頼リストをそのまま必要資料とせず、買い手・専門家と優先順位を確認します。
Q. DDを受ければ表明保証や補償は不要ですか?
A. 調査の実施だけで最終契約上の義務が自動的になくなるとは限りません。範囲、未確認事項、開示資料と条項の関係を弁護士へ確認します。
Q. 従業員名簿・顧客名簿を最初から出してよいですか?
A. 必要性と法的な取扱いを確認し、初期は匿名・集計で足りるかを検討します。個人データは閲覧範囲を絞り、安全管理のための契約を整えます。
不足資料と開示範囲を整理する相談
相談前には索引の「未作成・所在不明」と、事業継続に大きく影響する問題を持ち寄ります。自社だけで法務・税務の結論を作り込まず、誰に何を確認するかを先に整理すると、買い手の依頼へ対応しやすくなります。
出典と編集責任
個人情報保護委員会の通則編(令和8年6月一部改正)、IPA第4.0版、厚生労働省の事業譲渡等指針を2026年10月5日に再確認。表・台帳・準備例は編集部による一般的な整理で、個別案件への専門家監修や調査結果を示しません。
- 中小企業庁「中小M&Aガイドライン(第3版)」――DDの目的・非実施リスク、各領域、開示資料整理、専門家・仲介者の役割。
- 中小企業庁「中小M&Aガイドライン参考資料」――M&A手法・契約・調査観点。
- 日本政策金融公庫「事業を譲り受けたい方」――財務・労務人事・法務DDの調査例、小規模企業への配慮。
- 日本政策金融公庫「事業を譲り渡したい方」――売り手側の交渉・資料準備の公式案内。
- 個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」――令和8年6月一部改正、事業承継交渉段階の提供、安全管理、承継後の利用目的。
- 個人情報保護委員会 FAQ Q2-12――交渉不成立時の個人データ返還・消去・廃棄。
- IPA「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン第4.0版」――2026年3月27日公開。公式ページは2026年9月30日更新、資産管理・自社診断・クラウド・事故対応。
- 経済産業省「サイバーセキュリティ経営ガイドラインと支援ツール」――Ver.3.0、経営者の3原則・重要10項目。
- 厚生労働省「事業譲渡等指針の一部改正」――令和8年5月25日適用の改正後指針。
- 厚生労働省「確かめよう労働条件」――労働条件の公式確認先。
- 日本年金機構「厚生年金保険」――適用・手続の公式案内。
- 国税庁「納税証明書の交付請求手続」――証明種類と内容。
- 特許庁「産業財産権専門官が中小企業の知財活動を応援します」――知財制度・支援の公式導線。
- e-Gov法令検索「会社法」および「民法」――個別の会社・株式・契約・債権債務確認の現行法令。
編集責任:京都M&A総合センター編集部(運営:株式会社M&A Do)。本記事は一般的な情報提供です。個別の法務・税務・登記・融資判断は、担当専門家・金融機関等へ確認してください。

